話しの置き場

話したことの覚え書き

子の為に残すもの

みんな物を残そうとするんですよ。

形ある者とか、物理的に、あるいは金銭的に迷惑にならないようにとか、目に見える形で子に物を残そうとするんですよ。

でも、それは一時的なもので、残すと言いつつ、残っていきません。

子に残してやって、その子の一生役に立つのは、心を残すことなんですよ。

何でもありがとうと言ってやってもらう。それが今を幸せに生きるあなたが見つけた生き方です。それにいつから気づいて生きていますか?

その生き方に気づくのに何十年かかりましたか?

それをまだ50のあなたの子供に教えてあげたら、あなたの子は50から今のあなたのような幸せで穏やかな気持ちで生きていけます。その子にとってそんな幸せなことはないと思います。どんな物を受け取るより、今のあなたと同じように心を満たして生活できます。

まだ20のあなたの孫に教えてあげたら、20から穏やかな心で自分の生き方に打ち込めることでしょう。それで何を成すか、どんな仕事をして、どんな生活をするかはその人次第ですけれども、自分の心の整え方を知っていれば、迷いなく自分の道を歩んでゆき、そうであればこそ何事かを成し遂げるでしょう。

 

心や生き方を残すことが、子や孫、末代まで子孫の助けになるのです。

それを知っているからこそ、今の自分まで残してくれた先祖を大切にするのです。

今できることは、今この時まで生きて培ってきた心を穏やかに保つ術や幸せを感じる生き方を身を持って、時に姿で、時に言葉で伝えていくことです。

それが子の為、孫の為であり、伝えてきてくれた先祖への感謝を示すことであり、今を生きる私達の責任であるのです。